シリア難民支援 NGO職員のブログ

トルコ南東部でシリア難民支援に携わっている者のブログです

日帰り職員慰安旅行ーボゾワとユーフラテス川

くつろぐ同僚

先日は、職員の懇親と慰安を兼ねてシャンルウルファの街からほど近い「ボゾワ(Bozova)」という所に日帰りで行ってきました。緩やかに流れるユーフラテス川のほとりにある、バーベキュー場もある場所で、地元の人達がよく家族を連れてピクニックをするのだそう。幸い平日のためか全く人もおらず、皆思い思いに水面を眺めたり、釣りをしたり、バーベキューを楽しんだり、踊ったりしてゆっくり過ごせました。まさか幼い時に歴史の教科書に出てきたあのチグリスユーフラテス川を眼前に出来るとは思いもよらなかったなぁ。人生って面白い。

ユーフラテス川と野の花

今の季節は野の花が満開で綺麗

対岸の野の花

トルコの野の花

今回の旅行は私の上司のアイディアで、チーム間の懇親と、特にシリア難民の人達を直接支援する立場にある職員は日々かなりのストレスに晒されている中、心底真面目ななのかなかなか有給休暇をとろうとしないので、このような形で無理矢理にでもいつもと違う空気を吸ってもらおうという意図で企画したものでした。

例えば爆撃の影響で半身麻痺になってしまい、日々学校に通う他の子達を恨めしく眺める青年。息子を目の前で銃殺され、夫も行方不明、そんな中親族を頼って命からがら逃げ延びたものの、何を頼りに生きたら良いか分からない老齢の女性。そんな方々に物資の支援や心理的サポートを行いつつも、自分の限界に打ちのめされる経験をする職員は数多いと思います。

そういった時に、心を折らずに自分の出来る得る限りの範囲で、出来る事をひたすら行い続けるのはなかなか「力」がいると個人的に思います。人に手を貸す際にはまず自分を万全の状態に整えてから。体力的にも精神的にも。中途半端な状態で何かしようとしても、自分もろとも引き摺られるだけ。献身の姿勢は尊いものだけど、それだけでは現実問題、事は廻らないのが分かってから、自分も体調管理と、精神の安定だけは維持しようと努力する毎日です(出来ている訳ではない)。乱高下するテンションはだいぶコントロール出来てきた気がするけど、まだまだ難あり…。昔から喜怒哀楽の激しさは指摘されてきた中、年を重ねればなんとかなると思ったけど、考えが甘かった。日々精進あるのみ。

踊る同僚

上から見たボゾワ1

上から見たボゾワ2

それにしても何機も戦闘機が上空を飛んでで、改めてシリア国境がすぐ近くなんだなぁと痛感した。決して快い良い音ではない。それに、この雄大なユーフラテス川がシリア国内のラッカまで流れているのだけど、そこにあるタブカダムが米国のIS掃討作戦による影響で決壊してしまう、という噂がシリア人の間では話題らしい。情報が錯綜しているし、ソースはロシアとシリア政府軍のメディアばかりであまり欧米のメディアでは取り上げられていない(日本語の記事なんてほとんどない)のが非常に気持ち悪いのだけど、万一このダムが決壊した場合、数十万人に被害が及ぶ事は必至。この日もボゾワでユーフラテス川を見ながら、単純に「歴史の教科書で見たやつだ、凄い」と思った自分と、ラッカに住む残りの家族に思いを馳せていたシリア人スタッフとの間の、それこそユーフラテス川のように大きな隔たりを痛感させられた。