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シリア難民支援 NGO職員のブログ

トルコ南東部でシリア難民支援に携わっている者のブログです

トルコの国民投票

トルコの旗

いよいよ、憲法改正の是非を問う国民投票が明日の4月16日に迫ったトルコ。最近は誰と会ってもこの話題で持ちきりで、どうなるかハラハラ。結果いかんによっては混乱も想定されるので、自分のNGOは念の為17日の月曜日もオフィスを閉める事になりました。ただ、着任から初めての3連休なのに、外務省のテロに対する注意喚起もあって、ずっと家にいないといけないのが辛い…。日本では北朝鮮との緊張に関する報道ばかりでこっちは全然報道されてないけど、トルコにとっては割と歴史的な投票らしい。

ざっくりいうと今回の国民投票は今までの議員内閣制から大統領制に移行して、ほとんどただの象徴だった大統領にもっと権限を附与する事の是非を問うものらしい。首相という立場は失くなり、大統領が副大統領や閣僚を自由に任命したり解任したりできるようになる。また、議会の解散権も大統領が持てるようになるため、大統領の任期は今まで通り5年が2期までだけど、2期目が満了するまでに議会を解散して当日の大統領選に再当選すれば、3期目の就任もあり得る。他にも色々あるけど、概して権力の抑制と均衡を崩しかねないと欧米メディアでは懸念の声が挙がっている今回の投票。下記のサイトが詳しい:

トルコにおける国民投票―「大統領制」は何をもたらしうるのか | SYNODOS -シノドス-

Questions and Answers: Turkey’s Constitutional Referendum | Human Rights Watch

Erdogan's Turkey - BBC News (流石BBC、サイトデザインが死ぬ程かっこいい)

The Economistの表紙

扇情的なタイトルの4月15日付けの"The Economist"

結果の予想は現時点では五分五分。50から60%くらいの得票率でエルドアンが勝つと予測するトルコメディアもあるけど、正直大統領懐疑派の記者がほとんど投獄されている中で、残ったメディアが何言おうと信用できん…。今回「Evet(Yes)」と答えるであろう層(エルドアン支持派)は、私が住むウルファを含む南東部の農民が多く(クルドは除く)、代わりに、「Hayır(No)」と答える層(エルドアン反対派)はイスタンブールイズミルを中心とした都市に住む比較的裕福な、エリート層が多いと言われている。なので田舎のウルファではどこを見てもEvet Evet Evetの看板やポスターばかり…。Evetの歌を拡声器で流し続ける、いつの時代かと思う程のウッザイ街宣車ともこれでやっとおさらばできるのか〜。街中の広告だけじゃなく、オンラインでもエルドアン大統領が所属するAKPがバンバンEvetのバナー広告を出していて、元広告代理店勤務としては出稿費ばかりが気になって仕方がない。確実に十億円は超えてるんじゃないか…。代理店経由なのかな、だとしたらどこだろ…。

4月11日にエルドアン大統領がウルファに来た際の様子

私の身の回りにいる、NGO勤めのトルコ人は海外で教育を受けたり、良いとこの大学を出ているリベラルが多いので、エルドアンの保守的な考えとは一切相入れず、文字通り牙を向き出しながら彼の悪政をこき下ろしている。毎朝トルコ語を練習させてもらってる近所のパン屋のおじさんとも選挙の話をしてみたけど、彼はウルファ民としては珍しく、政治家は皆嘘吐き、どちらに投票しても結果は変わらないから投票はしないと言っていた。矢っ張り英語が話せるまで自分で勉強したり、よく政治の本を読む人はウルファに住んでいても安易に今回のエルドアンの政策を支持しないものなのかもしれない。

国民投票のパンフレット

家の玄関に刺さってたエルドアン大統領属するAKPのパンフレット

いずれにせよ何かしらの波乱なしでは終わらない気がする明日の選挙、奇しくも天気は雨模様。嫌な予感しかしないので、大人しく家でパンでも焼きながら様子を見ます。