シリア難民支援 NGO職員のブログ

トルコ南東部でシリア難民支援に携わっている者のブログです

ラマダンなので断食してみた

イスラムのシンボル

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいました。生きてます!というのも、ケバブやジゲやボレキなどの油っこいトルコ料理(今度また紹介します)の摂り過ぎで、丸一週間腹を下していたのと、その後は有休をもらってウィーンに行ったりしていたのでした。そんなこんなでいつの間にかラマダン。シリア難民の人達やウルファのトルコ人は敬虔なムスリムが多いので、この時期に皆断食をします。私の職場のスタッフも9割方は断食中。良い勉強の機会になるだろうと私もやってみる事にしました。いや、正直に言うと純粋な好奇心7割、ダイエット効果への期待が3割です。断食を開始してから5日目。そもそも断食する理由や方法、所感などをまとめてみようと思います。

ラマダンって何?

ラマダンはイスラム暦の9番目にあたる月を指します。イスラム暦は月の運行に基づくので、普段私達が使っている太陽暦と比較すると1年が約11日間短く、そのためラマダンの時期も毎年11日間繰り上がっていきます。なので年によってラマダンが夏にあったり冬にあったりするのですが、今年のウルファは6月!去年や一昨年は真夏だったらしいのでそれと比べるとだいぶマシですが、それでもかなり大変な時期なのは変わりない。ラマダン中は、アッラーに対する完全な服従と献身を表すため、コーランによって命令されている「サウム(断食)」を行います。

ラマダン中の断食って具体的に何をするの?

簡単に言うと、ラマダン月の間は日の出から日没まで、飲食を一切絶つ「サウム」を行う事がイスラム教徒には義務付けられてます。勿論日の出の時間も日没の時間も住んでる場所によって変わるので、サウムの期間も変わります。2017年は例えば日の短いブエノスアイレスであれば11時間程度になるし、私が住むウルファでは16時間程度です。今まで断食というとご飯が食べられないだけだと思ってたけど、まさか水も一滴も飲んではいけないとは…。後で詳しく書きますがこれが一番キツイです。その他にもサウムには結構細かいルールがあって、日中は飲食以外にも、喫煙・性行為・薬品の摂取などが禁止されます。逆に、妊婦や断食によって病状が悪化してしまう人、旅行中の人は免除されます。ラマダンの最初の3日間、私は旅行に行っていたので、その期間は断食せず、皆より遅くサウムを始めました。また、普段よりさらにコーランを読んだり喜捨をする事が推奨されます。

断食中の一日のスケジュール

ウルファでは、毎日時間は微妙に変わりますが、今年は日の出が3:14分頃、日の入りが19:45分頃です。なので、飲食のタイミングを調整して、日中の断食に備えなければなりません。現状一日のスケジュールは下記のようになってます:

03:30 就寝(3時間睡眠)

06:30 起床

08:00 勤務開始、ぶっ続けで仕事

16:00 帰宅(断食中の職員は、昼休みや休憩時間を返上して、いつもより早く帰宅できます)

16:30 仮眠(2時間睡眠)

18:30 起床

19:45 イフタール(断食明けの食事)

22:00 就寝(4時間睡眠)

02:00 起床、スフール(断食前の食事)

ってな感じです。仕事を全然してる時間がないので、夕方の仮眠は今後とらないかもしれません…。

宿舎の他の駐在員は誰も断食していないので、夜中の2時に一人で起きて、音を立てないようにコソコソキッチンで食事をしています…。

断食の感想とコツ

案外いけるやん。が初日の感想でした。思ったより全っ然お腹が減らない。空腹に備えるために、イフタールとスフールで逆に普段より多く食べてるんじゃないかってくらい滅茶苦茶食べてるからなんですが…。一般的にムスリムの人達はラマダン中に一年で一番肉やお菓子を食べるので、期待に反して皆太るらしい。逆に何が辛いって水が飲めない事。空腹が紛れるのも、それ以上に喉の渇きが半端ないからだと思います。本格的に夏になってきたこの時期に、16時間何も口にできないのは結構辛い。水分の蒸発を防ぐために、口数が減る笑 ただそれでも初日は意外と楽でした。が!2日目は、前日の夜に飲んだ水分が足りなかったのか日中ずっと頭痛に悩まされ。なかなか仕事が捗りませんでした。なので夜中3Lくらいの水を必死で飲んで、3日目からなんとか安定。食事も大体コツがわかってきて、なるべく水分が多くとれるスープやサラダ、フルーツを積極的に摂取するのが良いのと、塩分が多い食事は控えるようになりました。排尿を促すコーヒーやお茶、アルコールも勿論摂ってません。これで残り25日間、乗り切れるか期待。ただ、何が怖いって、今日までずっと最高気温は30℃程度だったけど、明日から最高気温がまたおかしな事になります。っていうか例年の平均と比べても異様に高い。ウルファはトルコでもかなり暑くなる地域なんだそう。死ぬな~

ウルファの天気

ラマダン中のトルコ(ウルファ)ってどんな感じ?

基本皆ぐったりしてます笑 噂には聞いてましたが、自分自身も断食してみてやっとその辛さが分かりました。日中は極力体力を温存するために、ほとんど誰も外出しません。出来る限りクーラーのガンガン効いた部屋で横になってるそう笑 そのせいか珍しく外が静かで、いつもは子ども達で溢れ返ってる公園でも誰も見かけません。食事処も閉まっているか、品数が極端に少なくなります。が!それも日中だけ。夕方から夜にかけ、街中が徐々にソワソワし始め、活気づいてきます。店のシャッターも空いて、店頭にずらっとおいしそうな食べ物が並び始めます。ラマダン中は沢山の人達と積極的に交流するのも推奨されている事の一つらしく、夜はすっかり気温も下がり過ごしやすくなるので、イフタール(断食明けの食事)の時間から大フィーバー。子ども達のはしゃぎ声やおっさん達の大論争、ごった混ぜになった音楽が至る所から聞こえてきます。女性達は睡眠を削って、普段は食べられないご馳走を腕によりをかけて作るので、それにありつける家族の喜びもあるんだろうな、と考えたり。それにしても夜中の2時にドンドコ太鼓を鳴らしながら練り歩くのは止めてほしい。田舎のウルファだけの習慣だと思いますが、スフールを食べる時間を知らせるために太鼓隊が出動するそう。しかもラマダンが終わった後、家を一軒一軒周ってお金を徴収します笑 あと、日中は皆ピリピリしてるせいか、トラブルが増えます。職員同士の小競り合いもそうだし、シリア難民とトルコ人との間の諍いも増えてる気がする…。色々一長一短です。

とにかく残り25日間、頑張ってみます。断食だけじゃなくて、コーランも読んでみるつもり。